わが国には現在、5つの社会保険の制度があります。
病気やけがに備える健康保険、失業等への所得保障としての雇用保険、仕事中のリスクを保障する労災保険、高齢者の介護の備えとしての介護保険、そして老後、障害、死亡のリスクを保障する年金保険です。
昨年は、この年金保険の5年に1度の財政検証の年でした。昨年の検証によると、現在の年金給付水準は、現役世代の所得代替率が61.7%であることが示されました。5年前の水準は62.7%でしたので、若干低下しました。
所得代替率とは、現在の平均夫婦世帯の年金額2万円を、現在の現役男性の手取り収入(貸与も含めた年収の12分の1)で割った数住です。
今後、少子高化が進む我が国においては、現役世代の負担が過重にならないよう、保険料水準には上限が設けられ、年金給付は財源の範囲内で行われることになっています。保険料収入が減少し、年金受給者が増えていく社会では、給付水準は当然低下し、所得代替率は下がっていくことは避けられないでしょう。
でも、今回の財政検証では、この所得代替率の低下を抑えるための以下の提案もなされています。
- 厚生年金の適用の拡大と、加入をお歳まで延長
- 基礎年金の保険科支払いをの歳まで延長
- 受給開始時期の選択を考歳まで延長などです。
今後の経済成長や労働参加がどのように進むのかによっても違いますが、やはり長く就労することが、自分の老後にも年金制度にもプラスになることは間違いなさそうです。
日本の年全制度は、高齢になった親を個別に扶参する私的扶養に代えて、保険料を払うことによって社会全体で親世代を扶養する社会的扶養の役目も果たしています。