老後資金は一体いくら必要か?No.36

6月に金融庁が発表した金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書が話題になりましたが、多くの人が、今回改めて自分の老後のお金について真剣に考えたのではないでしょうか?

年金だけで暮らせるとははなから思っていなくても、日々の生活に流され、「では一体いくら必要なのか」、「そのためにどうしたらいいか」を真剣に考えていた人は少なかったかもしれません。

「日本の公的年金制度のしくみは現役世代が高齢世代を支える「賦課方式」なので、少子化によって現役世代の人口が減り、長寿化によって年金を受給する高齢世代が増えれば、年金財政が苦しくなっていくのは当然のことです。この構造的な問題を解消するためには、少なくても半世紀以上はかかると言われています。

又、公的年金制度は5年に一度、財政再計算を行っていますが、今年はちょうどその再計算の年に当たります。実は今から5年前の2004年の再計算の時に、将来の年金制度を維持していくための大きな改正がありました。基礎年金の国庫負担金をそれまでの「3分の1から2分の1へ引き上げ」、少子高齢社会における現役世代の負担に配慮し、「給付と負担の見直し」が行われました。

具体的には、
・保険料は18.3%までは段階的に
引き上げるが、それ以上は上げない。
・もらえる年金は、モデル世代で現役
世代の手取り収入の8%を確保する

というもので、マクロ経済スライドの制度もこの時に導入が決まりました。
「年金を柱にして、残りの足りない分は自分で備える」という考え方が15年前にすでにできていて、それ以後は世の中の常識であったはずなのです。

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38歳独身。3年前に都内にマンションを購入。将来に備え、貯蓄だけではなく投資も始めたい。

ある日の相談ルームから

38歳独身。3年前に都内にマンションを購入。現在一人暮らし。
(相談内容)将来に備え、貯蓄だけではなく投資も始めたい。
少額でも出来る投資はありますか?貯蓄は300万です。

投資も不動産・金・株式と色々とありますが、小額から始められて税制上の特典を利用でき、投資のルールの
(1)長期投資(2)時間分散(ドルコスト平均法)を活用できる商品をいくつかご紹介します。

(1)積立NISA
毎年20万円を上限として一定の投資信託が購入可能です。通常、分配金や売却して得た利益(譲渡益)に2%の税金がかかりますが、積立NISAは最長20年間非課税となります。但し、他の投資商品と損益通算が出来ませんので、損が発生しても他の利益と相殺することは出来ません。

(2)個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)
自分で作る年金制度です。加入者が毎月一定の金額(積立てられる額は職業によって異なります)を投資信託などに積立てることが出来ます。

(2)個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)
自分で作る年金制度です。加入者が毎月一定の金額(積立てられる額は職業によって異なります)を投資信託などに積立てることが出来ます。積立金額は全て「所得控除」の対象で所得税・住民税が節税できます。受け取るときも「公的年金等控除」「退職所得控除」が使えます。但し、高度障害や死亡以外は60才以降でないと受け取れません。

(3)変額保険・変額個人年金
毎月一定額を投資信託等に積立てできる生命保険会社が扱っている商品です。期間中死亡すると、予め決まっていた死亡保障が遺族に支払われます。また、生命保険料控除が使えます。途中解約や満期で受け取る際、一時所得扱いとなり8万円の控除が使えます。但し、積立NISAやiDeCoと比べるとコストがかかります。
将来に向けて目標額を設定し、時間をかけた資産形成をおすすめします。金融商品それぞれのメリット・デメリットを考え、ご自分に合った投資を実践してみてください。