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「少し、子どもと離れてみたら?」

育児ノイローゼに悩まされる中、友人に託児付
エアロビクス教室へ誘われた梅木由美さん。
そこで味わった自由とエアロビクスの面白さは、
彼女をインストラクターの道へと導きました。

そして今、彼女はレッスンで多くの女性たちに、
元気と 安らぎを与えています。
「隣の人とは違う“自分”に、自信をもってほしい」
ケガ と病気を味わい、人の痛みを知った
彼女のレッスンからは、いつも温かいメッセージが
伝わってきます。

エアロビクス・ピラティスインストラクター

梅木 由美(うめき ゆみ)さん

家族構成 夫 、子供 長女14才

梅木さんのホームページ

梅木インストラクターのお教室詳細はこちらから
<ただいま準備中>

仕事内容

エアロビクス・ピラティスインストラクター
(フィットネスインストラクター)

年収

1週間のレッスンスケジュール
月曜日  午前 大人のピラティス(毎週)
ピラティスWith baby!!(月2回)
火曜日  午前 わくわく健康体操(毎週)
       Lady Madonna(月2回)
水曜日  オフ
木曜日又は
金曜日 
午前 Funk Rabbit  Peach Pit
土曜日  午前 マタニティビクス
日曜日 オフ
非公開
お仕事についてからかかった費用

スキルアップのために勉強会に参加します。 1回当たり1〜2万円
足を使う仕事なので、痛めることが度々あり、その都度治療します。
足のメンテナンスは年に20万円くらい(治療費は傷害保険に加入しているので保険料21000円のみ自己負担)

お仕事に就くためにかかった費用

エアロビクス養成コース 50万円
ピラティス 17万円
マタニティビクス・アフタービクス・メノポーズケア 各10万円くらい

このお仕事につくことになった動機、きっかけを教えてください!

私には娘がひとりいるんですが、その子が産まれてから、私は育児ノイローゼになってしまったんですね。
なかなか子どもができなかったこともあって、もともと子育てには夢があったんですよ。
女の子が産まれましたので、子どもにはレースのお洋服を着せて、自分もフワフワとしたレースを着て、一緒に日向ぼっこをしているっていう(笑)。

でも現実は、そのイメージとは全く違ったんですね。
娘はアトピーがひどくて、夜は5分寝て15分泣いて、の繰り返しだったんです。

ですから私もほとんど眠れなくて、眠れないと、人間っておかしくなってくるんですよね。
そして、決して死にたいということではなく、この状況から逃れたいという思いで、もらっていた精神安定剤を大量に飲んでしまいました。あっという間に目が回ってきて、救急車でしたよ(苦笑)。でも本当に怖かったです。
このことがきっかけで、母もお手伝いに来てくれるようにはなったのですが、娘のアトピーが治ったわけではなかったので、やっぱり子育ては大変でした。

そんなとき、友達が「ちょっと子どもと離れなさいよ」と、保育付のエアロビクスのクラスに誘ってくれたんです。
そしてたった1時間子どもを預けてレッスンを受けただけなのに、「こんな自由が世の中にあったんだ」と思いまして(笑)、もうやみつきになってしまいました。

<趣味のままにならずに、お仕事にしてしまったところがすごいですね!>

皆さんに何かを伝えたい、という思いがはじめからあったわけではなくて、夢中になり始めた頃は、うまくなりたいという気持ちが強かったですね。
でも、スポーツクラブに入ってエアロビクスをしていくうちに、次々と難しいことができるようになってきまして、そうなると、人間というものは少しずつ自信過剰になるんですね(笑)。
教えてくれるインストラクターさんを見ながら、私ならもっと上手く教えられるんじゃないか、というような気持ちが生まれてきたんです。

そして、私もインストラクターになりたい、と思うようになりました。

<エアロビクスを仕事にしていった過程をおしえてください!>

私はティップネスという学校のエアロビクス養成コースに通ったのですが、その学校は入るのも卒業するのも難しい学校でした。
一般のスポーツクラブも、そこの生徒さんだと聞いただけで、オーディションなしで合格させてくれるような学校で、私がデビューしたのも一般のスポーツクラブだったんですが、そこのスタッフの方も「ティップネスの生徒さんだったら」ということで、まだ卒業もしていないのに私のレッスンも見ずにクラスをもたせてくれました。

私はそんな環境に、愚かにもあぐらをかいていましたね。
でも、初めてのレッスンが終わったとき、メンバーさん達に集団で部屋の隅に追い詰められまして、すごい勢いで文句を言われてしまったんです。
「来週も来る気じゃないでしょうね。私たちを馬鹿にしてるの?」って。
私もちょっとは自信をもってレッスンに臨んでいましたので、本当にショックでした。

次の日から人の前に立つのが怖くなりまして、その出来事から4日後に出血性十二指腸潰瘍で入院してました。(苦笑)

<大変な思いをされましたね>

「もう無理かな、でも夢もあるし、執着もあるし」、という心の葛藤が、きっと自分の体を痛めつけてしまったんでしょうね。
でも、通っていたティップネスの先生が、入院した私の卒業を待つと言ってくれたんです。
他の同期の生徒さんもみんな私の卒業を待ってくれまして、そのとき、「この夢を持ち続けよう」と決めました。

そして私を雇ってくれたスポーツクラブのほうでも、「3ヶ月待っていてあげるから、やってみなさい」と言ってくれたんですね。
ですからその3ヶ月の間に練習をし、レッスンを受け、その後、夜間のコースを持たせていただきました。

<その後は順調でしたか?>

それが、あまりお客さんが入ってくれなかったんです。
生徒さんがたくさん入っているクラスもあるのに、何で私のクラスには来ないんだろう、と悩みました。

そこで、人が多く入っているレッスンと、あまり入っていないレッスンとの違いを知るために、どちらのレッスンにも行ってみたんです。
すると、人があまり入っていないレッスンでは、命令形の言葉がつかわれていて、テンポが悪くて、指示が遅い、ということが分かったんですね。
『これで答えが出た』と気付きましたので、それら全てを克服するよう努力をしてみました。

サークル立ち上げについて教えてください!


“よーし、私も保育付のエアロビクス教室をやるぞ”、という気持ちで、サークルを始めました。
でもいざ始めてみると、ベビーシッターさんとのトラブルはあるし、友達以外の協力者が現れてくれなくて、思った以上にすごく大変でした。
なぜ人がついて来てくれないのか、そしてなぜ生徒さんが来てくれないのかとまたまた悩みました。

で、あるときふっと気がついたんです。
私の中にある傲慢さを感じて、人はいやな気持ちになっているんじゃないか、って。
そして結局、サークルを続けることをあきらめて、一度閉じてしまいました。努力はしたんですけれど、意気込みだけが先走って空回りしてしまっていたんですね。

それならば1回クリアにして、気持ちも新たに始めからやり直そうと思い、その後半年くらいお休みをしました。

<再出発のきっかけを教えてください>

公民館主催の女性フォーラムから、初心者向けのエアロビクス教室の講師をしてもらえないか、との依頼をうけまして、公民館の方がそのときにいろいろと私をバックアップしてくれたんですね。
保育士の方も紹介していただきましたし、マネージャーさんも私に付いてくれました。

そしてそのマネージャーさんが「サークルを立ち上げるからやってみなさいよ」と背中をおしてくれまして、仕事を再開することができたんです。
その後協力してくれる方が自然と立ち上がってくれ、少しずつサークルが増えていきました。

私はこうして支えてくださった皆さんのおかげで、ここまでやってこられたんだと思っています。本当に感謝ですね!

病気、そしてそこから得たものとは

十二指腸潰瘍の3年後に、子宮の全摘出手術をしているんですね。
2人目の子どもが欲しいと強く思っていたのですが、子宮内膜症を患っていましたので、その手術を決意するまではずっと不妊治療をしていました。
その頃の私は生理が月に20日間、月経量もすごく多くて(紙おむつも着用)、生理痛も痛みで気を失うほどでした。

かなり絶望的な気持ちになっていた時、婦人科の先生が、「これだけ苦しんだんだから、もう手術しようかね?」と言ってくれたんです。

その言葉を聞いたとき、私は涙が止まりませんでした。
そしてこのとき初めて、「自分の欲を捨てたい」と思ったんです。
この苦しみから逃れるためには、何かを捨てなければいけない。

そしてそのときに周りを見渡したら、自分がすごく恵まれていることに気がついたんです。
私には娘が一人いる、そして家庭があって、親も健在で、ご飯も毎日食べられる。
これ以上、私は何が欲しくてこんなに苦しんでいたんだろう、と思いました。
その執着を捨てて手術を受けたとき、心は本当に自由で、まさにばら色でした。

<このご経験が、今に生きているんですね>

私は子宮の手術の前にマタニティビクスの養成コースで産科学と婦人科の病気を学び、術後間もない頃にメノポーズケアという更年期についての勉強をし資格を取りました。
そしてそのとき、私に女性の人生を追いかけよう、という決意のようなものが湧いてきたんです。

私にできることは、この病気の経験を生かすことなんじゃないかって。

私は生理を薬で止めたときに更年期の症状を経験していますし、不妊治療のときの薬の副作用で“うつ”にもなっています。

こうした体験は、私にとってはすごくラッキーだった、と思えるんです。
いろいろなことを経験できたおかげで、同じ経験をされている人の気持ちがわかりますし、たとえば更年期の方に何かを聞かれても、体験があるから答えられるんです。

病気もケガも、私にとっては神様からの粋なギフトだと思っています。

レッスンで心がけていることはありますか

私は、来ていただいた方に心からレッスンを楽しんでいってほしいと願っていますし、『隣の人と違う自分』というものに自信をもつことの大切さを伝えられたら、と思っています。
ここに来られる方というのは、皆さんすごく頑張っている方たちだと思うんですね。
決して通りがかりにふらりと来られているのではなくて、何か自分の中で決意するものがあって、足を運んで来られていると思うんです。

ですから、そんなふうに頑張っている自分を、どうかほめてあげてほしいと思います。

私のレッスンでは、エアロビクスそのものは、言ってみれば二の次だと思っているんですね。
振り付けを間違ってもいいじゃないですか(笑)
私なんて間違ってばーっかりですよ(笑)。
大切なのはそんなことより、参加すること、動き続けることなんです。

そしてもし間違えてしまったら、鏡に映った照れくさそうに笑う自分を“かわいい”と思ってあげて頂きたいと思います(笑)。
人がなかなか捨てらず、もっとも邪魔なものは、『プライドと嫉妬』だと思うんですよね。
これは人間の本能ですし、神様が私たち人間に生まれたときから与えたものだと思います。

でもここに来たら、人よりも上手くなろうとか、人と足並みを揃えようとか、そんな気持ちは全部捨てて、そのままの自分でいてほしいと願っています。
ですから私は、レッスンでのリラクゼーションの時間をとても大切にしているんですね。
そのリラクゼーションのとき、仰向けになった瞬間に眠りに落ちてしまう方がいらっしゃって、そういう姿を見たとき、本当にうれしく思います。
そして、来られたときはちょっと元気なかった方が、部屋を出るときには、笑顔で挨拶をしてくれる。そんなときも、とてもうれしいんです。

ここへ来たら、全ての時の流れをシャットアウトして、心からリラックスしていただきたいと願っています。

レッスンについて教えてください
<エアロビクスのほかにピラティスを取り入れていますね!>

自分自身がこれから年をとっていくことを考えたとき、将来的な準備としてやってみようかな、と思ったのがピラティスを取り入れたきっかけです。
なにかひらめきのようなものがあったんですね。
そしてまずレッスンを受けてみましたところ、すごく面白かったんです。

ピラティスというのはヨガと比べて体に無理がかからないんです。
それはなぜだろうということで勉強を進めていきましたら、ピラティスというのはもともとリハビリのために作られたものだということが分かったんです。
ジョセフ・ピラティスさんとうい方が、第二次世界大戦で負傷した兵士たちのために作ったものだったんです。
そして私は、このピラティスで、「隣の人とは違う自分」に自信をもつことの大切さを教わりました。

人より体が弱いとか、姿勢が悪いとか、そういった体のコンプレックスを含めて、それでも私は私、なんですよね。
ですからピラティスでは、目をつぶって隣の人が見えない状態でレッスンを行います。
ご自分なりの動きでやっていただけるところが、ピラティスのすばらしいところなんですね。

<わくわく健康体操ではどのようなことをしますか>

わくわく健康体操は、主に更年期の方を対象にしたクラスです。
レッスンでは毎回、ご自分の健康状態を確認してしただくために、パーソナルレコードというチェックシートを使って、その日の体調や気分を記入していただいています。

そしてその中には小さくメッセージ欄を設けているのですが、みなさんがそこで、ご自分の性格のことやご家族のお話、感謝のお言葉などを私に伝えてくれるんですね。
そしてそのメッセージに対して、私からも少ないながらお返事を書かせていただいています。今は人の心と心のつながりが欠けている時代ですが、その小さなやりとりが絆となって、お互いの励みになっていると感じるんですよね。

そして、そのメッセージの中で、女性特有の悩みをつづってくださる方もいらっしゃいます。
たとえば、ちょっとしたことで漏らしてしまう(腹圧性尿失禁)ということで、お一人で悩んでいらっしゃる方も多いんです。

でもそういった症状は女性ならば産後、又は加齢と共に当たり前に起こることであって、悩むことではないんです

レッスンでは、そういった症状に対応したトレーニングを積極的に取り入れています。
私は女性の悩みに一歩踏み込んだレッスンを行っていきたいな、と思っているんです。

梅木さんにとってのお仕事

私は今でも、レッスンのある日の朝は、起きた瞬間に、「この仕事には向いてな〜い!」と思うことがよくあります。

仕事としてエアロビクスのインストラクターを始めてから7年たった今でも、プレッシャーがなくなる日はないんですね。

そしてレッスンが終わったあとも、「今日は満足できる内容だったな」と思えることはほとんどなくて、今度こそもっと上手にやろう、と思うんです。
でも あるとき、私が憧れているインストラクターの方が、苦しいときにも笑顔でレッスンをしていたのを後から知って、“人を楽しませるというのは生半可なことではないんだ”、ということを教えてもらいました。

産みの苦しみはあるけれど、レッスンが終わった後に生徒さんのお顔を見ると、キラキラとした笑顔を私に向けてくれているときがあって、だから乗り越えられるんですね。

ですから、私はこのお仕事を「仕事」とは決して思ってないんです。
私にとって、自分の人生を輝かせてくれる、大切な時間と思えてなりません。

お仕事をはじめてから気が付いたことはありますか
自分の体力がいつまでも若くないということ、健康は当たり前ではないということに気がつきました。
そして身体と心は、どちらか一方の調子が良くても、気持ちは前向きになれないということがわかったんです。
両方が良い状態になったとき、はじめてとても気持ちが良くなるんですよね。
今後にどのような展望をもっていますか?  

特別な事はなく、今と同じように健康で、一人でも多くの方に気持ちのよいフィットネスを提供して、共に歩んで行きたいと思っています。

家事と仕事を両立するなかで、工夫していること、心がけていることは何ですか?

家事は、「きちんとできないときがある」ということを家族に認めてもらうことが大切ですよね(笑)。あきらめてもらうというか。
家庭の中がギクシャクする一番の原因は“頑張りすぎ”なんだと思います。

以前は私も朝4時に起きて、朝ごはんを作って、お弁当を作って、夜のご飯まで作って、それから仕事に出かける・・・なんていうことをしていたんですが、家族はそんなことを求めていたのではなかったんですね。
ご飯を一緒に食べたい、そして時間を家族と共有したいと思ってくれていたんです。

ですから今は完璧に家事をするのはやめて(元々やっていない(笑))、一日に一回は家族そろってご飯を食べることを大切にしています。
娘も、私がひとつのことにしか集中できないということを知っているので、散らかったテーブルの上を何も言わずに片付けてくれたり、いつの間にかお皿が洗ってあったりします。
そして娘は、“手術に失敗すれば、母親が命を落とすかもしれない”、という状況を経験していますので、私に対して「ただ、ここにいてくれればそれでいい」と言って時々抱きしめてくれます。

夫も、何も言わずにご飯を作ったり家事を手伝ってくれたりして、「頑張って」と口で言うことはありませんが、私を力強くサポートしてくれています。
家族は私にとって、本当にかけがえのない大切な存在です。

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